ボルダリング上級者への道
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浅草クライミング「TSURUGI」 クライミングシューズで唯一のMade in JAPAN
先日クライミングジム「ピラニア」でクライミングシューズ業界唯一の日本製ブランド「浅草クライミング」のシューズ試着会が行われており、筆者も試しに履いてみましたのでその感想をご紹介したいと思います。ラインナップは3種類、エントリーモデルの「KAGAMI」、スリッパタイプの「MAGATAMA」、ハイエンドモデルの「TSURUGI」。どれも日本人に多い甲高幅広タイプの足にジャストフィットする欧米ブランドにはない足に対する優しさを感じます。今回メインに試着したTSURUGIをメインにご紹介します。
作りがシャレている浅草クライミングのホームページはコチラ
浅草クライミングハイエンドモデル「TSURUGI」
ベルクロタイプであるTSURUGI。ベルクロのカラマツ模様が日本製であることを象徴しています。グリーンとパープルの二色が設定されています。一見おとなしい印象のデザインで、他社のハイエンドに比べると真新しさはほとんどありません。ハッキリ言って地味です。見た感じ若干ターンインしているものの、平均的なクライミングシューズと同等です。激しすぎませんがしっかりダウントゥもしていて強傾斜でもしっかり足が残るようなシューズです。特徴的なのは足の甲をスッポリ覆うくらいラバーでコーティングされ、トゥフックはかなり良さそう。一番印象に残ったのがヒールが細いことですね。筆者も前々から思っていたのですが、外岩クライミングでヒールフックする時、欧米のクライミングシューズはヒールが比較的大きく、カカトの足裏感覚があまり良くありません。扱いづらいですがハマると効くソリューションなどもヒールがやたら丸っこく、しかも比較的大きいので、ちょっとしたクラックにヒールをねじ込みたいとき、全く入らないので繊細なヒールフックは苦手でした。しかし浅草クライミングシューズのヒールはどれも細く、そういった意味では好印象でした。
それでは、スポルティバ信者の筆者が純日本製のクライミングシューズを早速実際に履いてみてボルダリングに臨んでみたいと思います。見た目で得た情報をもとに、スラブ・ルーフ・強傾斜で様々なムーブを試してみました。
実登から垣間見えた「TSURUGI」の実力
海外ブランドでは最初にサイズ選びで苦戦します。各メーカーによって、同じサイズでも全くサイズ感が異なり、とくにスポルティバとスカルパでは2サイズ位変わってくるのではないでしょうか?とにかくクライミングシューズは実際に履いてから選定しないとなかなかアタリを引くことはできません。筆者も2回サイズ決定に失敗しており、眠っているクライミングシューズが2足あります。「浅草クライミング」のクライミングシューズは日本でおなじみのcm表記がしてあり、サイズ選びに苦戦することはないでしょう。筆者は25.5cmですが、25.5cmが使われていたため、26.0cmを試着しました。履いてみるとびっくり!1サイズゆるいサイズなのに、足入れ困難(汗)。ベルクロ部分の内側のゴムがかなりしっかりしているので少々きつく感じました。しかし、1度足を通してしまうと抜群のフィット感。しかも指が全然痛くならない!の割にしっかり奥まで指が入ってるのがわかります。これだけ痛くないとスラブでは力負けしちゃうのかと思いきや、抜群に乗り込めます。柔らかさの中にも芯がしっかりあり、スラブでゴミカチに乗ってもかなりの踏めてる感を確認できました。独自の「マサツ」というソールが使用されており、これがまた使用感抜群で、ボテの先端にスメアリングで乗り込む時、「すべらない感」がしっかり伝わってきて安心して乗りこんでいけます。
「TSURUGI」の特徴
①ビックリなエッジング性能
驚いたのがエッジング性能。筆者はミウラXXをメインの1足として使用しており、今まではミウラがエッジングでは最大の性能を誇ると思っていたのですが、ゴミカチに乗っても力負けせず安定して乗って行けます。しかもソールのゴムのフリクションもかなり高く、薄いジブスに対するスメアリング性能もかなり高めです。もしかするとジーニアスなどのノーエッジコンセプトシューズと同等かもしれません。
②安定感抜群なトウフック
特筆すべきはトウフック。筆者はトウフックが苦手ムーブの一つなので、今回はあえてトーフックが核心部にある課題(1級)をチョイス。以前だったらトウフックが切れてキャンパーになっていた課題ですが、足が残る確率が格段に上がり、かなり力の節約が可能になりました。欧米メーカーのクライミングシューズは基本的に足の形が合わないので、できるだけ合わせられるようレースアップタイプがメインでしたが、レースが邪魔をしてなかなかトウフックがやりにくかったのですが、「TSURUGI」は足の形がピッタリはまるので、ベルクロタイプでもジャストフィット。初めてこんなにトウフックが決まるシューズに出会いました。
③小さな足場にしっかりかかるヒールフック
これは外岩のほうが真価を発揮しそうなヒールカップ形状。小さなホールドにヒールをかける際はかなり繊細なヒールワークが必要ですが、「TSURUGI」のヒールカップ形状はミウラよりもスリムで、ガバカチ位のホールドなら安定してヒールフックすることができます。外岩にはこういったシチュエーションが多くみられ、ヒールをかけたいのに乗せられないのでトウでかき込みながら乗り込んでいくことが多いです。このシューズでそういった課題を攻めてみると面白いかもしれません。
④スラブでも力負けしない「マサツ」ソール
1サイズゆるいサイズを履いているにも関わらず、力負けすることなく、足の力をしっかりゴミカチに集約して乗り込んでいけます。ダウントゥなのに、意外すぎるくらい足裏感覚が良好に感じました。ノーエッジコンセプトのシューズに履きなれているのに、この厚み(4mmソール)のエッジングシューズ、しかもダウントウなのにこの足裏感覚は新鮮でした。ジブスでも安定して乗れるのは一体どういう理屈なんでしょうか。良い意味でこの手のシューズの印象を払拭してくれる素晴らしいソール。
⑤滑らない感しか伝わってこない乗り込み
傾斜が急なハリボテのエッジに乗る時、抜けそうな感覚がありません。乗れてる感しか伝わってこないのです。もちろんその伝わってくる情報は嘘ではありません。しっかり乗れていけます。この抜群の安定感は「マサツ」ソールのおかげなのでしょうか??
まとめ
浅草クライミングの渾身の一足、ハイエンドモデル「TSURUGI」は間違いなく買いの一言でしょう。すべてにおいて高次元でバランスされたクオリティの高いシューズです。この性能で\17,000。さすがMade in JAPAN。金額以上の価値がこのシューズにはあると思います。スポルティバのフューチュラを狙っていた筆者ですが、こちらを先に購入したいと思います。今まで苦戦していた1級課題のバラシがこのシューズのお陰で割とサクサク進んだのでシューズだけでここまで違うものなのかとショックを受けています。やはり筆者の実力位だったら、靴に登らせてもらっているようなものなので非常に重要なファクターの一つなので、よりよいシューズが欲しくなるものですね。「TSURUGI」はそんな筆者を一皮剥けさせる素晴らしいシューズであると感じました。
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2018年 1月 30日
保護中: 韮崎高校サッカー部 GOOGLE PHOTO アーカイブ(2019/令和元年)
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