ボルダリング上級者への道
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クライマーズダイエット(第3回) ~カロリー制限ダイエットの落とし穴~
1日の摂取カロリーを抑え、摂取カロリーよりも消費カロリーを多くすることにより、脂肪の燃焼を促進させるという「カロリー制限ダイエット」。しかしこの手法には意外な落とし穴が多数存在し、失敗する人もチラホラ存在します。カロリー制限自体はダイエットの基本中の基本なのですが、ただ単にカロリーだけを制限していては失敗することもあります。今回は失敗しないためのカロリー制限に関する予備知識を学んでいきたいと思います。
前回の記事
クライマーズダイエット(第1回) ~ダイエットの基本!!カロリー計算をしてみよう~
クライマーズダイエット(第2回) ~カロリー計算アプリを使って管理を楽にする!~
カロリーとは
カロリーとは摂取する食物などから得られる栄養学的熱量と、基礎代謝や運動で消費される熱量について定義されており、Kcalという単位を用いられています。一般的に脂肪1Kgを燃焼させるのに必要な熱量は7000Kcalと言われています。つまり脂肪には1kgで7000Kcal分のエネルギーが蓄えられていると言い換えることもできます。
たとえばランニングの消費カロリーは下記の式で求められます。
体重(kg)×距離(km)=消費カロリー(Kcal)
体重60Kgの人が1Kg分の脂肪(7000Kcal)をランニングで消費するためには約117kmもかかります!一日5kmのランニングを取り入れたとしても、1kg落とすのに23日もかかってしまいます。運動だけではダイエットがなかなか成功しないのはこういう理由なのです。しかも運動の前にはある程度の水分・食事を摂取すると思うので、現実ではさらに低い数字と思われます。
具体的にカロリーに換算できるのは三大栄養素である「糖質」「脂質」「タンパク質」。この3つは体内に吸収された後の役割・性格が異なり、カロリー制限する上でこの違いが大変重要になってきます。もっともエネルギーに変換されやすいのは「糖質」であり、「糖質」が潤沢にある限り「脂質」や「タンパク質」をエネルギーとして使用する割合は極めて低くなります。そしてこの三大栄養素は余ったら脂肪に変換され体内に備蓄エネルギーとして貯蔵されます。このエネルギーの余剰状態が「太る」という現象として現れるわけですね。
カロリー制限ダイエットの落とし穴
落とし穴① 脳が飢餓状態と勘違い!
ダイエットする上でカロリー制限は必ず必要になってくる必須カテゴリです。しかし、カロリー制限すればするほど太りやすい体質に変化してしまうのです。カロリー制限を始めて1週間程度は面白いくらい体重が減少し、ランナーズハイと同じような状態であるダイエッターズハイのような1種の拒食症のような状態が現れます。しかし、いきなりカロリー制限ダイエットを始めると脳は飢餓状態と勘違いしてしまい、生命維持能力を発揮してしまい、体内の脂肪をエネルギーに変換することを極力抑えてしまうのです。長期的にカロリー制限をしているのにもかかわらず、ある一定部分まで下がるとそれ以上痩せなくなってしまう停滞期が存在するのはこういった原因が隠れているのですね。これを解消するためには、1週間に1回程度3食しっかりとる日を作り、満腹中枢を刺激するとよいでしょう。そのようなメリハリをつけて脳を上手にだましながら減量していくとある程度スムーズにダイエットを成功させることができます。
落とし穴② 摂取カロリー中の三大栄養素の比率に注意!
また、カロリーを制限した状態でも、「糖質」の割合が高ければ高いほど脂肪をエネルギーとして燃焼する前に糖質から先に使用してしまうのでなかなか脂肪の燃焼には至りません。カロリーの総量も大切ですが、三大栄養素のバランスにも注意し、極力糖質は少なめに摂取し、タンパク質の比率を高めることが重要になってきます。クライマーなら筋力を落とさず減量したいものなので、糖質・脂質は抑え、たんぱく質を多めに摂取することを心がけましょう!しかし、極端な糖質の制限は落とし穴①の「脳が飢餓状態と勘違い!」の状態を誘発しやすくなってきますので、適度に糖質も摂取する必要があります。さらに、あまりにも糖質を制限してしまうと筋肉をエネルギー源として分解し始め、さらなる筋肉量の低下を招いてしまうかもしれません。意外かもしれませんが筋肉を極力落とさずにダイエットを成功させるためには最低限の糖質はしっかり摂取する必要があるのです。このことから糖質制限ダイエットはクライマーには不向きといえるかもしれません。
落とし穴③ 体重が減る=脂肪も筋肉も減っている!
ダイエットの基本でもある基礎代謝の向上。具体的に言うと筋力トレーニングをして、体内の筋肉の割合を上げようということなのですが、カロリー制限を併用すると基礎代謝はどんどん下がっていきます。これが何を意味するかというと、脂肪を燃焼すると同時に筋肉もエネルギーとして使用し、筋肉量が減っていっているのです。これはカロリー制限するうえでどうしようもない事実なので、カロリー制限だけではなく運動も併用して筋肉量の減少を最小限に食い止める必要があります。基礎代謝が下がれば必然的に1日で体が消費するカロリーは少なくなるので、同じ量の食事を摂っているとどんどん痩せにくくなっていってしまうのです。特にクライマーとしては、筋肉量を減らさずに脂肪だけを減らしたいものですが、それは不可能に近いものがあります。対策としては減量中も筋力トレーニング・クライミングの頻度を増やし、たんぱく質をプロテインなどから比較的多めに摂取するくらいでしょうか。
ダイエットの負のスパイラルに陥らない!
カロリー制限+運動の組み合わせが基本なのですが、食事の内容(栄養素の比率)まで気をつけなければ、筋肉量も減少してしまうことがわかりました。しかし、筋肉量を保つ程度のたんぱく質を通常の食事で摂取するにはかなりの量のカロリーを摂取しなければなりません。たとえば下の表をご覧ください。ダイエット中でも下記の基準でたんぱく質を摂取しなければ、筋肉量も当然のごとく減少してしまいます。しかもこの基準、日常生活する上での最低限の推奨量になります。アスリートや日常的に運動習慣のある人々は自身の体重×1.2g~2.0gのたんぱく質を摂取しなければなりません。我々クライマーは週2,3回はクライミングに勤しんでおり、さらに減量するとなれば、その中日にランニングなどの有酸素運動を取り入れたりすると、完全なアスリートの感覚でたんぱく質は必要になってきます。筆者の例として体重60.0Kg×1.2g~2.0gとして72.0g~120.0gほどのたんぱく質を摂取しなければなりません(汗)。
[一日に必要なたんぱく質の食事摂取基準]
推定必要量 | 推奨量 | クライマー | |
男性(成人) | 50.0g | 60.0g | 72~120/体重60Kg |
女性(成人) | 40.0g | 50.0g | 60~100g/体重50kg |
それではこの推奨量を食事で摂取するにはどれくらいの量が必要なのか分かりにくいので、代表的な食材から摂れるたんぱく質を簡単にまとめてみました。
[食事で得られるたんぱく質の量とカロリーの関係]
たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 | カロリー | |
白米 160g | 4.0g | 0.48g | 59.36g | 269Kcal |
食パン(1切れ) 60g | 5.58g | 2.64g | 28.02g | 158Kcal |
牛肉もも 100g | 21.2g | 9.6g | 0.5g | 246Kcal |
マグロ刺身 100g | 26.4g | 1.4g | 0.2g | 125Kcal |
紅鮭(1切れ)80g | 18.0g | 3.6g | 0.08g | 110Kcal |
たまご(1個)60g | 7.38g | 6.18g | 0.18g | 91Kcal |
納豆(1パック)50g | 8.25g | 5.0g | 6.05g | 100Kcal |
牛乳(1杯)200ml | 6.8g | 7.83g | 9.89g | 138Kcal |
※参考:カロリーSlime
表を見れば一目瞭然なのですが、効率に優れるマグロの刺身でも、推奨量を摂取するには454g(男性)摂取する必要があり、コストパフォーマンス的に悪くなってしまいます。比較的日常生活に取り入れやすい卵では16個近く必要になってしまい、その場合の摂取カロリーは1456Kcal。食事を卵だけにすると減量中の摂取カロリーである1500~1800Kcalにちょうど良いですね(笑)。しかし、卵だけでは必要な糖質を摂ることができません。このように通常の食事では減量中に求められる糖質:脂質:たんぱく質のバランスをクリアしながらカロリー制限値内に収めることは非常に困難になってきます。タンパク質の摂取量を高い水準に保つと必然的にカロリーの摂取過多に陥ってしまいます。
不足したたんぱく質はプロテインで補う!
そこで、ここぞとばかりにサプリメントに頼りましょう!普段なかなかお世話にならないプロテイン。1食分でエネルギーは79Kcalで13.8gのたんぱく質を摂取できます。1食あたりのランニングコストは90円前後なのでコスト的にも負担は軽くなります。日々の食事をカロリー制限で減らした分、不足したたんぱく質を補う形ではかなり有効な手段となります。
まとめ
ダイエットの王道ともいえるカロリー制限ダイエット。しかし、しっかり管理しなくてはあまり意味のないものになってしまうばかりか、成功しても食事をもとに戻すと急激なリバウンドに見舞われるパターンが多く見受けられます。あせらずゆっくり1カ月に体重の5%を目標に急激なダイエットは避けたほうが無難です。スポーツにおける減量は栄養バランスにも重点を置き、極端な糖質制限ダイエットなどは避けることがパフォーマンスを上げるうえで重要だと感じました。サプリメントなどの力を借り、面倒なカロリー計算をできるだけ簡素化して、長期間戦うことのできる労力の少ないカロリー計算・ダイエット計画を立てることが結局一番の近道であると思います。
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