ボルダリング上級者への道

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天然記念物にハーケン ~なぜ今顕在化したのか~

最近天然記念物の岩にハーケンがうちこまれていると話題になっています。

当たり前ですがどのサイトでもクライマーのマナーが悪いという視点で記事が書かれており、その記事を見た人は「馬鹿じゃないの?」って思うんだろうなと思います。私もクライマーのはしくれであり、非常に悲しいニュースでした。しかし、表に出てくるニュースをそのまま鵜呑みにするのはどうかと思います。重要なところを曖昧にして一方的にハーケンをうちこんだクライマーが悪いように書かれた記事。いつもながらメディアの一部分だけを「切り取った」報道の仕方。

1つのニュースで人生が変わる人が出てくる日本の社会。

1つのニュースを取り上げるなら、事実のすべてを時系列順に報道すべき。

僕はそう思います。

 

 

 

 

百万貫岩にハーケンが打ち込まれた!?

 

今回事件が起こったのが次の場所。石川県白山市白峰にある巨岩「百万貫(ひゃくまんがん)の岩

下記の報道が6月26日

岩は一九三四(昭和九)年の手取川大洪水の歴史を伝えるとして、二〇〇一年に県天然記念物に指定。県教委文化財課によると、指定前に保護審議会が行った現地確認に金具の記録はない。保護指導員による年一回の巡視でも報告はなかった。

引用元:

 

そして、穴が開けられたのは約20年ほど前に遡る。

つまり穴が開けられたのは1990年代であり、天然記念物指定される前に当たる。

 

・百万貫岩は近々天然記念物に指定される可能性がある。岩の景観をみだす行為をしてはならない。(現在打ってあるボルトは、近日撤去する予定になっている)

引用元:クライミングネット

つまり、天然記念物に指定される前からボルトは打ってあったのです

もちろん天然記念物に指定されている今、新たに岩を傷つけハーケンを打ちこむ行為は禁止されるのは当然ですが、

元々あったものを新しくしたことでこんなにも騒がれるのは少しどうかと思います。

年に1回の巡回時にはハーケンは無かったと管理者は言っているそうですが、錆びて岩と同化し気付かなかったのだろうと思います。

そこへ新品の輝くハーケンになって気付いたのでしょうね。

 

 

 

 

 

「百万貫岩」とは少し事情が異なるのが「鬼岩」

 

岐阜県御嵩町にある国の天然記念物「鬼岩

1934年に国の名勝天然記念物に指定されました。

下記の報道が6月14日。

岐阜県御嵩町と瑞浪市にまたがる「鬼岩公園」内にあり、国の天然記念物に指定されている巨石群「鬼岩」に、ロッククライミングで使われる、くさび状の金具「ハーケン」2本が打ち込まれていたことが分かった。

引用元:中日新聞

これは戦前にすでに国の天然記念物に指定されており

許可なく工作物を設置することができないと自然公園法で定められているため、違法行為になると思います。

しかし気になるのは下記の記事です。

町は、許可なく工作物を打ち込んだ行為が自然公園法違反に当たる可能性もあるとして、可茂県事務所と対応を協議する。また、同公園で器具を使わずにロッククライミングをする動画が、動画投稿サイトに投稿されており、町は巡回を増やすなどの対応も検討している。

引用元:https://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20160615/201606150911_27467.shtml

「器具を使わずにロッククライミングをする動画」ってボルダリングのことですよね?

天然記念物に触れることだけでもダメなんだ(汗) ボルダリングすらも禁止対象になってしまいそうです。

 

 

 

なぜ、今ハーケン問題が顕在化したのか?

さて、数十年前からクライマーがクライミングを楽しんできたこれらの地でなぜ急にこのような事態になったのでしょうか?

管理者や地元住民もこれらの岩でクライミングが行われていたことは知っていたはずです。

ここから先は私の個人的見解なので気分を害した方はスルーしてください。

クライマー人口が多くなるにつれて、顕在化しないけが人の発生や、地元住民との摩擦が多くなってきたのではないかと推測します。

事実5月初旬、場所は違いますが愛知県新城市の岩場「鳳来」で滑落事故が2件発生しており、

救助ヘリを要請され、その件について行政・警察が対応したといいます。

5月25日に鳳来、鬼岩に行ったところ、注意を喚起する看板が設置されておりました。これは、5月2日と5日に起きた事故に対する、警察からの対応になります。

引用元:クライミングネット

 

やはり岩場を管理する管理者にとって、自分の管理する山での事故はできるだけ回避したいと思うでしょう。

クライマーの滑落事故の報道が多くされるようになってきた昨今、国や県はクライマーのためを思って事を大きくしたかったのかもしれませんね。

どちらにしろ、クライマーは今まで以上にいろんな事に気をつけなければならない時代に入ってしまったのでしょう。

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