ボルダリングなどのスポーツクライミング全般的に重要な要素である握力。もちろんボルダリングを行うだけでもかなりのトレーニングになるのですが、ボルダリングのみでは若干鍛えられる筋力に偏りが出てしまいます。そこで効果的に握力や手首の筋肉を鍛えることのできるトレーニンググッズを紹介します。
IGNO パワーリストボールとは?
パワーリストボールとは遠心力を利用したトレーニンググッズです。中に入っているローラーが回転するとジャイロ効果で外に飛び出そうとします。それを必死で抑え込むというイメージのトレーニングです。使い方が難しく、慣れるまでは少し時間がかかります。特に、利き手である右手では自然にできても左手ではなかなかできないと思います。そんな時は力を抜いて手首を支点としてブラブラーっとまわしてみましょう。両手で何も持たない状況で試してみると利き手は自然に円を描けるのに逆の手ではできない人が多いと思います。まずは何も持たずに自然に円を描けるように練習しましょう。
とりあえず使い方の動画を見てみましょう。
この方は紐を使わずに回すことができていますが、最初は低速でローラーの動きに手首の動きを同調させることができないので、紐を使用したほうがよいのですが、紐って非常に紛失しやすいです。「あれ、紐がない(汗)」となっても大丈夫なように低速から回転数を上げられるように練習しておきましょう(笑)筆者の場合、すでに紐はありません。左手は低速からなかなか回転数を上げられないので、右手である程度回転速度を上げておいて持ち替えています(汗)
パワーリストボールとグリップセイバーの違い
以前にご紹介した握力強化トレーニングではメトリウスのグリップセイバーを使用しました。グリップセイバーは手を握る・開くの反復運動で主動筋・拮抗筋を同時にバランスよく鍛えることができました。今回はこのグリップセイバーを補完する位置づけで最大筋力の上昇を支援するためのトレーニンググッズ「IGNO パワーリストボール」を紹介します。グリップセイバーと一線を画するポイントは下記の2点です。
- 握力と同時に手首の筋肉も鍛えることができる
- 最大筋力のアップを図ることができる
グリップセイバーは同じ動作の反復運動でどちらかというと最大筋力を酷使するのではなく、筋持久力を上昇させるトレーニングだと感じております。その上、拮抗筋も同時にトレーニングすることができるので、ボルダリングで必要な「保持力」のアップに貢献するトレーニング方法だと筆者は思っています。
パワーリストボールは握力については最大筋力の上昇をサポートし、加えて手首の筋肉を360°の全方向に対する筋肉を鍛えることができると思っています。ボルダリングでの手のひらを返す動き(マントリングなど)に使う筋肉などを効果的にトレーニングできそうです。ボルダリングでは手首を故障することが非常に多いので、筆者は故障の予防としてもトレーニングするようにしています。
ただ、パワーリストボールでは握力の反対の力、つまり手を開く方向の筋肉は鍛えることができません。パキることを防止するためには主動筋・拮抗筋をバランスよく鍛える必要があるので、できればグリップセイバーの補完的な意味合いで導入することをお勧めします。
トレーニング方法
トレーニング方法といっても使い方は一つしかないので、ちょっとやり方の違う2パターンをご紹介します。
- ①最大回転数で勝負する短期決戦トレーニング
- ②回転数を上げず長時間トレーニング
①のパターンではとにかく回転数を上げて最大筋力を上げるトレーニングです。自分の握力が耐えられる限り回転数をドンドンあげていきます。高回転になればなるほど、びっくりするくらいの負荷がかかります。トレーニングするときはカーペットの上でやりましょう。100%落とします(笑)しかし、手の中にあるときは「手を離すとぶっ飛んでいくんじゃ・・・」っていうくらいの暴れ馬ですが、ひとたび手から離れると内側のローラーが空回りするだけなので、意外にコロコロ転がって行くだけです。
②のパターンではゆっくりとした回転数で長時間トレーニングを行います。おもに筋持久力を鍛えるのですが、回転数の選定の目安としては、3分間ギリギリ保持できるくらいの回転数で始めましょう。そして時間は変えずにギリギリできる回転数を上げていきます。こういったトレーニングをする場合はrpm(回転数)を表示できるボールをあらかじめ購入することをお勧めします。
お勧めは「NSDスピナー PB-688C」という機種。
このリストボールは中央のモニターで下記のように4つの情報を表示することができます。
・回転数測定モード
これまでの総回転数が表示されます。
・スピード測定モード
現在のローターの回転数をリアルタイムで表示します。
・最高回転数測定モード
今までのトレーニングでもっとも高い最高回転数を記録します。
・トレーニング測定モード
30秒、60秒、90秒おきのモードによりトレーニング結果の回転数を表示します。
引用元:NSDスピナー
NSDスピナーは5,000円程度と少し高価なので、お試しならスポーツ量販店で売ってある1,000円程度のもので試してみてからでOKだと思います。
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