ダイアゴナルとねじりムーブは覚えましたか?
今回はプラスアルファで効果絶大なテクニック、「キョン(ドロップニー)」を覚えてみましょう!
キョン(ドロップニー)とはどんなテクニック?
英語名「drop knee」から想像できる通り、膝を落とした格好にになるテクニックです。両足でホールドを突っ張って保持し、下半身をガッチリ安定させることによって次の一手をすごく楽にするムーブです。下の写真は難易度と膝を痛める危険度のどちらとも高い通称「深キョン」。深田恭子じゃないですよ(笑)これだけ深く決まっていると下半身の安定度はピカイチ!体の硬い男性には辛いムーブ。でも安心してください。比較的浅めなキョンでも理屈がわかっていればシッカリ決まります!
キョン(ドロップニー)の使いドコロは?
ボルダリングにはいろいろなテクニックが存在しますが、使いどころがわからなければ興味すらわかないと思います。キョンが最大限の効果を発揮するのはずばり強傾斜!強傾斜の壁を登っていると必ず遭遇する「足が切れてしまう」という状況。足が切れると全体重を手だけで支えるハメになってしまいます。そうなると消耗率は高くなり、一瞬でパンプしフォールしちゃいます。こういった「足が切れる」課題を克服するのには必要不可欠なムーブが「キョン」です。それでは詳しくみていきましょう。
また、弱傾斜でも手が両手ともカチで次の一手がなかなか出せない場合も、キョンで下半身を固定してしまえばカチといえど片手で保持できるくらいド安定しちゃいます!是非ともキョンをマスターしてできるだけラクに課題をクリアしましょう!
キョン(ドロップニー)のやり方とコツ
①次の一手を取りに行く側の足を折りたたむ
次の一手が左手の場合左足を、右手の場合右足の膝をグリッと下に折りたたむことが基本です。巻きムーブのように体をねじりながら腰を壁にできるだけ近づけるイメージですね。写真では次の一手が右手なので右足の膝を落としています。
②膝を落とさない側の足は拇指球部分を使って足を突っ張る!
下半身を壁に対して90°ねじると非常にやりやすく、下半身を固定しやすいです。膝を落とさない側の足は写真赤丸の拇指球から親指あたりをホールドに押し付け、両足ともに足の裏の方向に向かって力を加えます(①の写真の赤い矢印方向)。もちろん状況によってはつま先でキョンを決めなくてはいけない事もあります。その時はつま先を使ってできるだけ突っ張ればOKです。ただ拇指球あたりを使うと決まりやすいというだけです。
③膝を落とす側の足はつま先がやりやすい。
膝を落とす側の足は繊細な動きを求められます。ホールドが大きければある程度雑でも決まりますが、小さなフットホールドでキョンをする場合、180°近くホールドの上でつま先を回転する必要があります。そうなってくると常に左右に足を突っ張りながらつま先を回転させないといけません。膝を落としきった時に若干アウトサイドエッジでホールドを捉えているよう意識するとうまく突っ張れると思います。
④キョンが決まるまで両手を保持する。
基本的にキョンは決まるまでは両手は離してはなりません。正対状態からキョン体勢に移行するまではかなり不安定です。決まるまではしっかり両手でホールドを保持しましょう。キョンが決まれば次の一手側の手を離しても驚くほど安定しています。
全然わからないと思いますが左手はサイドカチで非常に持ちづらいのですが、下半身が固定されていることによって、左手1本でも保持できるくらい安定しています。この課題をトライしている方を見ると男性クライマーはキョンなしでも無理やり腕の力でクリアしている姿を目にしますが、それに比べ女性クライマーは必ずと言っていいほどキョンを使い限りなくスタティックに美しく登っていらっしゃいます。私も力任せに「エイヤー!」タイプだったのですが、ある女性クライマーの助言でキョンを多用するようになりました。意外に弱傾斜の壁や垂壁でも使いどころがたくさん見つかり、腕の力の節約につながりました。
動画解説編
動画でわかりやすく解説されているのがコチラ。
海外の動画ですが、かなり深いキョンを決めてますね。
悪い例も同時に取り上げられているので非常に分かりやすく、筆者も参考にさせていただきました。
男性クライマーの悪い例はまさに「あるある」ネタですね(笑)自分を見ているようで笑いました。。。
まとめ
キョン(ドロップニー)は足を使って下半身を固定して、強傾斜でも足が切れることなくスタティックに次の一手がラクに出せる神テクニックです。というよりも、このテクニックがうまくできないと必ずつまずく時が来るので、意識してキョンを使ってみてください。意外なところでも使いドコロのある素晴らしいテクニックです。しかし、スラブなどや外岩などでは使う機会はほとんどありません。使いドコロを間違わないようにしっかりオブザベーションを忘れないようにすることが大切だと思います。自然にキョンができるようになるまで反復してトレーニングしましょう。筆者もまだ美しいレベルには到達してないので、熟練女性クライマーの美しさに勝てるように頑張ります!
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