今回は地味ですが外岩ボルダリングなどでは必須テクニックである「マントリング」に焦点を当てて解説したいと思います。人によっては呼び方も異なり、「マントル返し」などと呼ばれることもあります。ちょっと響きがいやらしい感じがしますが、私のホームジムでは「マントル返し」が主流のようです。外岩ではトップアウトで必須なテクニックですが、ジムではなかなか登場しないマイナーなテクニックです。
マントリングの基本動作
では実際にマントリング手順を確認してみましょう。動きは単純に見えますが、両手両足のそれぞれの役割分担が決まっているので条件が悪くなると急に出来なくなってしまい、「あれ?なんでできないんだろう?」と原因すら分からなくなってしまいます。1つ1つの動作の意味を理解し、それを同時にできるように練習あるのみです。
それでは実際に山梨県瑞牆山の俱利伽羅という岩の「竜王」という課題でのマントリングで手順を見ていきましょう。この岩の核心はランジにあるのですが、マントリングも少々悪いのでマントリングの練習にはもってこいの課題です。
①リップを両手で保持する
②両手の間隔をあける。
マントリングに移行するためには両手の間隔が狭いとかなりやりづらく感じます。少なくとも拳一個分は離れていないと厳しく感じます。「竜王」の場合良いホールドが左にあるのでそれを使います。
③ヒールフックをかける
できるだけ窪んでいるところを見つけてヒールフックをかけます。
④ ヒールをかけた足を掻きこむ
ヒールフックからの乗り込みの要領と同じようにして体を上げて、同時に右手を返し、手のひらで押してさらに体を上げます。この時、左足もスメアリングもしくは若干岩を蹴ると体が上がりやすいと思います。マントリングはこの体勢の時が一番つらく、体全体を使って体を上げていきます。多少勢いも必要なのである程度ダイナミックに行くとやり易いのですが、この状態でフォールすると危険な落ち方をしてしまうので、ダイナミックかつ慎重にゆっくり体を上げていきましょう。
⑤片方の手のひらも返す
ある程度体が上がると左手で支えていた重心が少しずつ右手に移るので、その時に左手も手のひらを返します。この時点で両手とも手のひらで保持することになるので、ここまでくるとマントリング完了ですが、ヒールフックのかかりどころが悪いと抜けやすい体勢でもあるので、早めにヒールフックからトゥに切り替えましょう。
ジムで出てくるマントリング課題
ジムではゴールのホールドをマッチするだけなので、マントリングというテクニックはなかなか使わないかもしれませんが、私のホームジム「ピラニア石和店」ではマントリングに特化した課題を提供しています。これがなかなか楽しいので紹介させていただきます。左からのマントリング、右からのマントリングとバリエーション豊かなマントリング課題。外岩ではトップアウトのときに出てくるテクニックを序盤でやるというのもユニークな課題ですね!ピラニア石和店にご来店の際は是非一度ご賞味ください。
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