常に上のグレードを目指しできない課題に一生懸命トライするのもすごく楽しいのですが、たまには肩の力を抜いて別の楽しみ方をしてみませんか?
例えば狙っているグレードの課題がなかなかできずに行き詰っている時などの気分転換に、自作課題を作ってジムの仲間とトライし合うとまた別の楽しみを発見できるかもしれません。
ジムにはプロブレムシートと呼ばれるまっさらな壁の形状だけがプリントしてあるシートが置いてあると思います。
そのシートに課題を記録してジムに置いておけば色んな人がトライしてくれます。
1.自分ができる限界の課題を作る
ジムに設定してあるシールの貼ってある課題は人によって感じる難しさが異なります。体の柔らかさやリーチ、筋力の強弱によって同じ技量のクライマーでも得手不得手が大きく出るからです。
なので同じ級数でも苦手と感じる課題と、好きな課題ってありますよね。自分の体のつくりを良く考慮に入れた上でスタティックに行ける限界の課題を作ってみるのです。
リーチは絶対届くけど、ムーブをしっかり組み立てないとできない課題だったり、足をあげられる限界のところにハイステップ用のホールドを置いてみたり…。
挙げ始めるときりがないのですが、それを作って他の人にやってもらうことで自分のクライミングの限界を客観的に見ることができます。
「この人は俺の限界をこんなに簡単に登ることができるのか」と気付くことが大切なのです。
自信は一時的に無くなりますが、すぐに何が自分に足りないのか探求したくなります。
2.ウォームアップ課題を作る
ウォームアップ課題は過半数の方がそこのジムの最低級から始めているのではないでしょうか?
登ってクライムダウンまで行い、それを数本こなして徐々に級数を上げて行き、体を暖めますよね。
そのウォームアップ課題を自分で作ってしまうのも面白いかもしれません。
というのが、体をほぐすという意味で自分の体に合っている課題ってなかなか無いのです。
ストレッチの意味を込めた程よく全身を伸縮させ、あまり力も使わないような課題を自分で作ってしまいましょう。
たとえば、10級ガバ課題でホールドを1個飛ばしとか、8級足自由課題を足限定にするとか、そういったところから始めると楽に出来上がります。
3.自分の苦手なムーブを練習するための課題を作る
これは特にランジ・ダブルダイノ課題を作ってみましょう。
ランジ系の課題は中級者以上の課題にしかなく、ランジ課題が出てきたと思ったらやたら難易度の高いランジが多いので、簡単なものから練習したいですよね。
しかし簡単なランジって比較的近距離で人によってはスタティックにいけてしまう位のものになってしまうので、課題として設定できないのです。
ジムにあるランジ系の課題は「どう考えても届くわけがない」距離に設定されているので、一目瞭然なのですが最初からその飛距離を出そうとすると肩を壊してしまいかねません。
最初はホールドをキャッチする感覚を養うために自分で課題を作って練習しましょう。
4.ただ恐ろしいだけの課題を作ってみる
これは番外編です。
スラブの比較的高い所って意外に怖いです。その高いところでヒールフックなどの基本テクニックを使うだけで恐怖感が倍増します。
だって、失敗したらいろんなところにぶつかりながらフォールするので、失敗できないという緊張感がたまりません。
バランスの悪い場所であえて両手がフリーになる瞬間を作ってみるとか、わざと高いところで小さなフットホールドを使うとか。
やってみると意外におもしろいですよ。是非挑戦してみてください。
ちなみに筆者はこれを最初に作りました(笑)